こんにちは、まめらびです!

皆さん、MRI検査を受けたことがありますか?脳ドックの経験がある方は、ご存じだと思いますが、MRI検査では、身体の中の血管や骨の様子を画像でみることができますよね。身体の中を検査する機器としては、レントゲンやCT、マンモグラフィなどがありますが、では、MRIってどういう仕掛けなんでしょう?今回は、MRIについて、少し詳しくご説明しましょう。

MRIとは、Magnetic Resonance Imagingの頭文字からとった略称で、日本語では「磁気共鳴画像装置」といいます。磁石と電磁波を使って磁気共鳴現象を起こし、身体内で発生させたMR(磁気共鳴)信号を画像化して検査します。放射線は使いません。撮影可能部位は全身に渡り、縦横斜めから撮影して検査を行います。

MRI検査をしたことのある人ならご存じと思いますが、検査中は、とても大きな音がします。まるで工事現場のような、ガガガガー、ガーンガーンガーンといった音がします。

MRI 検査は、磁石と電磁波の作用により、人体を構成している水分(水素原子)の情報を読み取って画像化するものです。装置にはコイルが巻いてあり、そこに「電流」を流すと「磁場」と「磁力」が発生します。検査には、磁気共鳴現象を起こす際の磁場を利用するのですが、どうしても磁力も発生してしまいます。この磁力が装置のコイルを伸ばしたり縮めたりして振動させ、その振動音が大きな騒音となって聞こえます。また、検査中は磁場を発生させる為、電流のスイッチのオン・オフを高速で何回も繰り返すため、騒音も連続して発生します。マイクのスイッチを入れたり切ったりするときに「ブツッ」という音がしますが、MRIの音の原理もこれに似ています。マイクの場合はせいぜい数アンペアですが、MRIでは数百アンペアの電流を流しますので、音量も数百倍大きくなってしまうのです。

他にも、MRI検査にはいろいろと特徴があります。例えば、結構時間がかかりますよね。MRI検査では、人体の水分の情報を読み取って画像化すると述べましたが、人体の質量の70%は水分で構成されています。そこから読み取る情報は膨大で、それらを解析し、何層も重ね合わせて画像化するため、時間がかかってしまうのです。

ちなみに、MRI機器にも種類がいろいろとあります。例えば自動車には排気量が違う車があるように、MRIにも磁気の強さにより種類が分けられます。磁気の強さはテスラという指標が使われていて、1.5テスラと3テスラの機器が一般的です。数字が大きい方が、磁気が強くなるため、画像がより鮮明になります。例えば、脳血管を検査するのであれば、より鮮明に画像化できるテスラ3の方が、検査の精度が高くなることが期待されます。

ちなみに、当センターのMRIは3テスラです。3テスラのMRIを設置している病院はいくつもありますが、一般の方が受診できる脳ドック検診で3テスラのMRIを使っているのは、県内では当センターだけです。(R3.12月現在)

 

次に、検査時の注意事項などもご紹介しましょう。

1 検査室には、金属類やカード類、携帯電話などは持ち込めません。磁力に対して反応するため、金属が含まれる物を持ち込むと危険です。カード類や携帯電話は磁気を帯びて使用不能になってしまいます。当センターのスタッフにも、センターのICカードをぶら下げたまま検査室で仕事をしていて、使えなくなってしまったうっかりさんがいます。

2 所要時間は20~30分です。おトイレが心配な方は、検査室に入室する前に用を済ませておかれるといいですね。スタッフからもお声掛けしますが、遠慮なくお申し出ください。

3 検査は、寝たままの体勢でトンネルの中に入っていくようなイメージです。閉所恐怖症の方には少々、つらいかもしれません。スタッフを呼び出すベルを手にしていただきますので、どうしても耐えられないと感じられたら、ベルを押してください。

4 検査中は、極力、動かないようにしてください。解析した情報を何層にも重ねていって画像化するためです。動くなと言われたらかえって気になりますよね。なにか、別のことを考えながら過ごしてください。検査が終わったら、美味しいものを食べに行こう!など、いかがでしょう?

5 MRI検査自体は、身体に影響を及ぼすようなものではありません。放射線を使用しませんので、被爆の心配もありません。例えば、少々、熱があっても検査は可能ですが、検診の一つのメニューとして受けていただくものですので、体調不良な状態での検査が適当かどうかは、主治医の方にご相談なさってください。

また、妊娠中の方・胎児への安全性は証明されていません。リスクよりも利益が勝ると判断される場合のみ検査可能です。そうした理由から当センターでは妊娠中の方のMRI検査は受け付けておりません。

6 体内に骨折した時のプレートやボルトが入っていたり、人工股関節など方もいらっしゃいますが、その場合は、材質の確認が必要になります。インプラントは素材によっては検査できない場合があります。最近では、体に埋め込まれた人工的なものの大多数はMRIに対応した安全性のある物が多く、例えば、骨折の固定に使用されるプレートやボルト等、骨の中にしっかり固定された物は動く危険性も無く、安全に検査を受けることができます。が、金属の入っている箇所は画像がひずんでしまい診断不能になる場合があります。事前に、主治医に確認なさってください。

ちなみに、ペースメーカーの方は磁場の影響を受け故障する可能性が高いので、検査を受けることはできません。撮影室への入室もできませんのでご注意ください。

7 タトゥー(入れ墨)をいれた方は、十分に注意してください。金属粉を埋めこんであると、やけどを起こす場合があります。また、色が落ちる場合があるとも言われています。