• まめらびの“健康診断の基礎知識コーナー” No.4  ~コレステロールについて~

    2022年06月29日

    今回のテーマはコレステロールです。

     

    コレステロールには、よく、善玉と悪玉があるといわれていますが、もともと、コレステロ

    ールというのは、脂質の一種で、本来は細胞膜やホルモンの材料になるなど、とても重要な

    役割を担っています。

    一口にコレステロールといって、細かくはいろいろな種類があって、健康診断では、特に重

    要な「HDL」と「LDL」の二種類のコレステロールを調べます。

     

    「HDL」は、血液中の余分なコレステロールを回収して肝臓に運び戻し、血管の動脈硬化

    を防ぐことから、「善玉コレステロール」と呼ばれています。

    「LDL」にも身体中の細胞に材料となるコレステロールを運ぶという大事な役割がありま

    すが、多すぎると余分なLDLが酸化されて血管壁に付着して、動脈硬化の原因となるの

    で、「悪玉」という不名誉な肩書がついてしまいました。全くの極悪人ではないのに、ちょ

    っとかわいそうですね。

     

    LDLが基準値を超える人は、コレステロールを多く含む食品のとり過ぎが考えられるの

    で、数値が高かった人は、この機会に食生活をあらためてみませんか?

     

     

    脂質1

    よい脂質をとろう!

    どんな油が身体に悪い脂質で、どんな油が良い脂質でしょう?

    悪い脂質はお菓子、菓子パン、ジャンクフードに含まれる油です。特に菓子パンやマーガリ

    ンにはトランス脂肪酸という脂肪酸が含まれており、これを過剰摂取すると、心筋梗塞や冠

    動脈疾患に陥るリスクが高まります。

    肉の脂や卵もとり過ぎるとLDLコレステロールが増えます。

    脂質異常症の方や、心配な方は卵は1日1個まで、肉の脂身を多く含む食品には注意しましょ

    う。

    良い脂質はオリーブオイルやごま油、青魚などの油です。

    一概には言えませんが、漢字にすると「にくづき」の脂が悪い油、「さんずい」の油が付く

    ものが良いと言われています。

     

    まめらびちゃんは血液サラサラになる油を取っています。

    食物繊維はLDLコレステロールの排出に役立ちます。野菜や海藻きのこ類を取りましょう。

    果物も食物繊維が多いですが、果糖が多く中性脂肪を上昇させる可能性があるので、1日200

    g程度に留めましょう。

     

    脂質2

    これが果物100gの目安です。

    1日200gですので、1度に200g食べずに、100gずつ午前午後に分けて食べるとよいです。

    ドライフルーツや缶詰は糖分が多いので少なくしましょう。

     

  • まめらびの“健康診断の基礎知識コーナー” No.3  ~尿酸値について~

    2022年05月19日

    尿酸値っておしっこの検査と思っている人はいませんか?

    尿酸値の検査は、おしっこの成分の検査ではありません。血液中にある尿酸を検査しています。尿酸というのは、細胞の成分であるプリン体が分解されてできる老廃物のことで、血液中の物質です。

    ここで、雑学を一つ。プリン体といっても、まめらびの大好きなプリンとは関係ありません。スイーツのプリンの語源はプディングですからね(笑)

    さて、話を戻して、血液中の尿酸濃度が基準値より高いと「高尿酸血症」と診断されることが多いのですが、特に、8.0mg/dl以上だと、風があたっただけでも激痛が走る「痛風」や「腎臓病」などが起きやすくなります。

    血液の尿酸が上昇すると、飽和溶解度をこえて関節内に尿酸の結晶が溜まります。この結晶を白血球が処理するときに発作が起こるのです。
    そのため、痛風になる人は発作を繰り返すこととなり、常に正常値を保つ必要があります。

    また、尿酸値が高いと、動脈硬化が進んで「虚血性心疾患」「脳梗塞」を引き起こすことがあるので、要注意です。

    肥満や食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎなどに気をつけないとね。

     

  • まめらびの“健康診断の基礎知識コーナー” No.2  ~血糖値について~

    2022年04月25日

    今回は血糖値について紹介します。

     

    血糖値の検査を受けるときは、お腹をすかせていくことが多いですが、これは、とても大事なことなんですよ。なぜって、空腹時の血液中に含まれるブドウ糖の量を調べているからです。

    ごはんを食べると誰でも、血糖値が上昇しますが、そのスピードは人によって異なります。そのため、食後の血糖値では、個人差が大きくでて、正しい判断ができなくなってしまいます。お腹がすいているときの血糖値を測定する検査ですので、内緒でおやつを食べたりしないようにしましょうね。

    例えば空腹時の血糖が126mg/dl以上の場合には「糖尿病」が疑われ、さらに詳しい検査(ヘモグロビンA1c、尿中アルブミン、ブドウ糖負荷試験など)が必要になります。

    糖尿病の他にも、空腹時の血糖値が高いと「膵炎」や「甲状腺機能亢進症」といった病気が疑われます。

    一方、基準値[FPG(空腹時血糖)99以下]より低い場合でも注意が必要です。空腹時血糖が極端に低い場合には「インスリノーマ」という「膵臓腫瘍」が疑われます。

    もし「要精検」という結果がでたら、内科または糖尿病内科でできるだけ早く受診してくださいね。

     

    何事も早期発見、早期治療が肝心です。

     

  • まめらびの“健康診断の基礎知識コーナー” No.1  ~肝機能検査について~

    2022年02月28日

    健康診断では、血液やおしっこの検査、レントゲン撮影などいろいろな項目がありますよね。結果を教えてもらっても、いまいちよくわからないことってありませんか?

    これから、このコーナーでは、ごく簡単に、検査から一体、どんなことがわかるのか紹介していきますね。

     

    まず今回は、肝機能検査の紹介です!

     

    肝機能は、血液で検査をします。

     

    血液検査では、肝臓が健全にはたらいているかどうかを知ることができます。

    基本的な項目として、AST(GOT)、ALT(GTP)、γ (ガンマ)GTPの値を調べます。

    AST、ALTは肝臓の細胞に多く含まれていて、細胞が壊れたときに血液中に出てくる酵素です。肝臓の細胞が壊れていると値は高くなり、肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝がんなどの可能性が疑われます。

     

    お酒をたくさん飲む人は、γGTPの値が高いとよく言われていますよね。γGTPはアルコール性肝障害の指標と言われています。飲酒量が多い人だけでなく、胆汁の流れが悪いときにも上昇します。

     

    肝臓は、検査値が異常な値を示していても、自覚症状などはほとんどないと言われています。肝臓はとても我慢強くて、少しくらい組織が壊れても、頑張って働いてくれる健気(けなげ)な臓器です。そのため、「肝臓は沈黙の臓器」と言われています。

     

    ですから、肝機能検査値の異常は、肝臓からのSOSだと思ってください。この状態を放置すると、いつの間にか肝臓の病変が進んで、肝硬変や肝がんなど命をおびやかす病気になる危険性が増します!

     

    頑張り屋さんの肝臓を大事にしてあげてください。

  • MRI検査についてのあれやこれや!

    2021年12月22日

    こんにちは、まめらびです!

    皆さん、MRI検査を受けたことがありますか?脳ドックの経験がある方は、ご存じだと思いますが、MRI検査では、身体の中の血管や骨の様子を画像でみることができますよね。身体の中を検査する機器としては、レントゲンやCT、マンモグラフィなどがありますが、では、MRIってどういう仕掛けなんでしょう?今回は、MRIについて、少し詳しくご説明しましょう。

    MRIとは、Magnetic Resonance Imagingの頭文字からとった略称で、日本語では「磁気共鳴画像装置」といいます。磁石と電磁波を使って磁気共鳴現象を起こし、身体内で発生させたMR(磁気共鳴)信号を画像化して検査します。放射線は使いません。撮影可能部位は全身に渡り、縦横斜めから撮影して検査を行います。

    MRI検査をしたことのある人ならご存じと思いますが、検査中は、とても大きな音がします。まるで工事現場のような、ガガガガー、ガーンガーンガーンといった音がします。

    MRI 検査は、磁石と電磁波の作用により、人体を構成している水分(水素原子)の情報を読み取って画像化するものです。装置にはコイルが巻いてあり、そこに「電流」を流すと「磁場」と「磁力」が発生します。検査には、磁気共鳴現象を起こす際の磁場を利用するのですが、どうしても磁力も発生してしまいます。この磁力が装置のコイルを伸ばしたり縮めたりして振動させ、その振動音が大きな騒音となって聞こえます。また、検査中は磁場を発生させる為、電流のスイッチのオン・オフを高速で何回も繰り返すため、騒音も連続して発生します。マイクのスイッチを入れたり切ったりするときに「ブツッ」という音がしますが、MRIの音の原理もこれに似ています。マイクの場合はせいぜい数アンペアですが、MRIでは数百アンペアの電流を流しますので、音量も数百倍大きくなってしまうのです。

    他にも、MRI検査にはいろいろと特徴があります。例えば、結構時間がかかりますよね。MRI検査では、人体の水分の情報を読み取って画像化すると述べましたが、人体の質量の70%は水分で構成されています。そこから読み取る情報は膨大で、それらを解析し、何層も重ね合わせて画像化するため、時間がかかってしまうのです。

    ちなみに、MRI機器にも種類がいろいろとあります。例えば自動車には排気量が違う車があるように、MRIにも磁気の強さにより種類が分けられます。磁気の強さはテスラという指標が使われていて、1.5テスラと3テスラの機器が一般的です。数字が大きい方が、磁気が強くなるため、画像がより鮮明になります。例えば、脳血管を検査するのであれば、より鮮明に画像化できるテスラ3の方が、検査の精度が高くなることが期待されます。

    ちなみに、当センターのMRIは3テスラです。3テスラのMRIを設置している病院はいくつもありますが、一般の方が受診できる脳ドック検診で3テスラのMRIを使っているのは、県内では当センターだけです。(R3.12月現在)

     

    次に、検査時の注意事項などもご紹介しましょう。

    1 検査室には、金属類やカード類、携帯電話などは持ち込めません。磁力に対して反応するため、金属が含まれる物を持ち込むと危険です。カード類や携帯電話は磁気を帯びて使用不能になってしまいます。当センターのスタッフにも、センターのICカードをぶら下げたまま検査室で仕事をしていて、使えなくなってしまったうっかりさんがいます。

    2 所要時間は20~30分です。おトイレが心配な方は、検査室に入室する前に用を済ませておかれるといいですね。スタッフからもお声掛けしますが、遠慮なくお申し出ください。

    3 検査は、寝たままの体勢でトンネルの中に入っていくようなイメージです。閉所恐怖症の方には少々、つらいかもしれません。スタッフを呼び出すベルを手にしていただきますので、どうしても耐えられないと感じられたら、ベルを押してください。

    4 検査中は、極力、動かないようにしてください。解析した情報を何層にも重ねていって画像化するためです。動くなと言われたらかえって気になりますよね。なにか、別のことを考えながら過ごしてください。検査が終わったら、美味しいものを食べに行こう!など、いかがでしょう?

    5 MRI検査自体は、身体に影響を及ぼすようなものではありません。放射線を使用しませんので、被爆の心配もありません。例えば、少々、熱があっても検査は可能ですが、検診の一つのメニューとして受けていただくものですので、体調不良な状態での検査が適当かどうかは、主治医の方にご相談なさってください。

    また、妊娠中の方・胎児への安全性は証明されていません。リスクよりも利益が勝ると判断される場合のみ検査可能です。そうした理由から当センターでは妊娠中の方のMRI検査は受け付けておりません。

    6 体内に骨折した時のプレートやボルトが入っていたり、人工股関節など方もいらっしゃいますが、その場合は、材質の確認が必要になります。インプラントは素材によっては検査できない場合があります。最近では、体に埋め込まれた人工的なものの大多数はMRIに対応した安全性のある物が多く、例えば、骨折の固定に使用されるプレートやボルト等、骨の中にしっかり固定された物は動く危険性も無く、安全に検査を受けることができます。が、金属の入っている箇所は画像がひずんでしまい診断不能になる場合があります。事前に、主治医に確認なさってください。

    ちなみに、ペースメーカーの方は磁場の影響を受け故障する可能性が高いので、検査を受けることはできません。撮影室への入室もできませんのでご注意ください。

    7 タトゥー(入れ墨)をいれた方は、十分に注意してください。金属粉を埋めこんであると、やけどを起こす場合があります。また、色が落ちる場合があるとも言われています。

  • まめらびの自己紹介

    2021年04月28日

    マメラビみなさん、こんにちは、まめらびです!

    私は、まめらび。ヘルスサイエンスセンター島根のマスコットキャラクターだよ。

    「まめ」というのは、島根の方言で、元気とか、体の調子がいいという意味。知り合いに「まめなかね?」と声をかけられたら「まめにしちょーよ」と答える、という風に使うよ。

    「らび」というのは、見ての通り、ラビット(うさぎ)のこと。なんで、うさぎ?かというと、これには歴史的な理由があるんだ!

    ヘルスサイエンスセンター島根があるのは出雲市。そして出雲市大社町にあるのが、出雲大社。正しくは、「いずもおおやしろ」というんだ。この出雲大社のご祭神の大国主命は、広く“縁結び”の神様として有名だよね。古事記や日本書記には、農耕・漁業・殖産から医薬まで、人々に必要な様々な知恵の神様って書いてあって、医療や薬の神様でもあるんだ。

    そのことを物語る神話が「因幡の白兎」。ここに、うさぎが登場!ワニをだました仕返しに皮を剥かれ、その上、大国主命の兄たちに、「海水(塩水)」で洗うとよい」などとだまされて、痛くて悲しくて泣いていたうさぎを、大国主命が真水で洗ってやって、ガマの穂を塗って治療し、助けてあげたという神話だよ。ところで、因幡の白兎にでてくるワニって、アリゲーターとかクロコダイルなどの鰐のことじゃなくて、鮫のことだからね。島根の食文化にも深いかかわりをもつワニ(鮫)については、いつか、紹介するね。

    ということで、医薬に関わりの深い大国主命とうさぎのご縁から、私が誕生したんだ。みんなの元気に役立ちたいうさぎ、という意味をこめて、「まめらび」と名付けてもらったんだよ。

    これから、ヘルスサイエンスセンター島根の活動や健康情報などを発信していくので、時々、HPをチェックしてみてね。